【嘘】
どんな点から見ても、事実であるとは思えないこと。
新明解国語辞典 第五版より)


《ケース①~のぼるくんの場合~》

のぼる「昨日、俺、宇宙人見たんだよね」

のぼるくんは昨日、本当に宇宙人を見ました。
のぼる君の発言は「事実」です。
しかし、もし、のぼるくん以外のすべての人がのぼるくんの発言を「嘘だ」とするなら、のぼるくんの発言は「嘘だ」ということになりそうです。


《ケース②~まさやくんの場合~》

まさや「ぼく、新垣結衣が好きなんだ」

まさやくんは、本当は新垣結衣が大嫌いです。
まさやくんの発言は「事実」とは異なります。
しかし、もしまさやくん以外のすべての人がこの発言を「事実だ」として疑わないなら、まさやくんの発言は「事実だ」ということになりそうです。


《ケース③~宇宙人の場合~》

宇宙人「ワレワレは、人間です」

「ワレワレ」は本当は宇宙人です。
「ワレワレ」の発言は事実とは異なります。
しかし、「ワレワレ」の話を聞いた人々は、「ワレワレ」の不思議な力のせいで、「ワレワレ」は人間だと信じ込んでしまいました。
そうなると「ワレワレ」は人間だということになりそうです。

 

・・・?

いいえ。

やっぱり

「ワレワレ」は宇宙人です。

どう考えても。

そのくらいは、

ぼくにだってわかります。

でもぼくには

そのくらいしか

わかりません。

 

客観的なことなんて、世の中にはなくて。

自分にとって、嘘か嘘でないか。

自分にとって、事実か事実でないか。

結局は、自分しか知らないということになります。

その、自分しか知らないことを、社会に問うてみて、納得が得られればそれでいいし、納得が得られなかったら、またそれをどう処理するか考える。

そうやって考えたり、納得してもらったりするうちに、人生は終わっていくのでしょう。

それで納得できれば良いのでしょう。